性格の類型について その1

  • 2015.01.13 Tuesday
  • 13:04
神が万物を創造したとするならば、人は万物を分類することから始めた。

それが世界の認識の初めである。 人を類型化してとらえることは、
「人間とは何か?」を理解するための事の初め。

医学の始祖といわれるヒポクラテスは、人間の身体の構成要素として
四種類の体液があるとした。
人間の体液は血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁でできているとした。
その体液のバランスが崩れると病気になると考えられた。

ヒポクラテスの四体液説は、万物の根源を四つと考えたエンペドクレスの
四元素説の影響を受けている。

エンペドクレスの万物の根源(アルケー):火・土・水・空気

ガレノスはヒポクラテスの四体液説を受け継ぎ発展させた。
そのバランスが次第に体質から、気質のタイプと認識されるようになった。
精神的な気質は肉体の中の体液の組み合わせによって決まるという説である。

体液は人間の気質にも影響を与え、
血液の多い人(多血質)は楽天的、粘液が多い人(粘液質)は鈍重、
黄胆汁(黄胆汁質)は気難しい、黒胆汁(黒胆汁質)は陰鬱、憂鬱な気質。

メランコリーの語源は黒胆汁。

ガレノスは人間のさまざまな改質を説明するものとして
冷熱乾湿の4つの性質があるとした。

<四体液>
血液 :春  熱・湿・・・多血質:楽天的
黄胆汁:夏 熱・乾・・・黄胆汁質:短気
黒胆汁:秋 冷・乾・・・黒胆汁質:陰鬱
粘液 :冬  冷・湿・・・粘液質:鈍重  

ガレノスが発展させたヒポクラテスの医学は、
ヨーロッパ中世からルネサンス期まで影響した。

四体液説はアラビアの医学にも取り入れられた。
中世後期、アラビアの占星術と結びついて
星と気質の関係があると考えられるようになり、
人間の宿命が星によって導かれていると信じられるようになった。

とりわけ、黒胆汁は土星と関係が深いと考えられた。
15世紀の画家デューラーは「メランコリア」と題された一連の作品で、
当時盛んだった占星術とメランコリーの結びつきを表し、
メランコリーに「創造的」「創造性」という意味を付与した。

ルネッサンス期の人文主義(人間中心主義)において、
神中心の世界観から相対的に人間の地位があがることによって、
人間の創造性が認められるようになった。

ここにおいて芸術家が誕生する。

ガレノスの影響は近代にまでおよび、次に着目すべき類型論は
20世紀のドイツの医学者・精神科医クレッチマーを待つことになる。

〈参考図書〉『土星とメランコリー』レイモンド・クリバンスキー他 晶文社